気持ちの焦点があわなくなり、家に帰ってからずっと、
現時点の自分にとって無関係の内容が書かれている文章ばかりを
手当たりしだい探して読んでいたら、
そのうち落ち着いてきた。
暗闇であらゆる方向に石を投げ、
その音の反響で自分と周囲との距離を認識するみたいに、
あちらこちらへ意識を投げつけては、
戻ってくるものをかき集め、
自分の位置を確認する。
これが心をほぐすための作業。
別の日には、自分に関係のある内容だけに意識をどっぷり浸して、
自意識をふやかす作業の必要なこともある。
どちらも、心を凝り固まらせないための、とても重要な作業。
今日ほぐしたから、明日はふやかそうかな。
ほぐしてもふやかしても、
外に出ればあっという間にぎくしゃく固まってくるんだけど、
だからこそ日々繰り返し繰り返し、
しぶとく頑なに繰り返し繰り返し。