昨日寝る前ふとんの中で夫から、
「今まで詠んだ短歌のなかで、自分で一番気に入っている歌ってどれ?すぐ言える?」
と聞かれ、
すぐには何も出てこなくて、
眠りにつく寸前までずっと考えてみたけれど、
一向に思い浮かびませんでした。
そういえば私は
自分のどの歌が好きかなんて、
今まで一度も考えたことがなかったなぁ。
他人の歌に関しては、
一番のお気に入り歌がはっきりあるのだけれど、
自分でつくった歌に対して、
満足のいく出来具合かどうかではなく、
好き嫌いの判断をつけるという発想がありませんでした。
夫のした質問は私にとって、
「自分の身体の細胞のなかでどの細胞が一番好きか」
と聞かれているようなもので、
ひとつひとつに対して好き嫌いの差はなく、
全部が好きな気もするし、
全部が嫌いな気もするのです。
質問されてみて初めて、
「我ながらこれはすごく最高に好きだ!」と
はっきり言える歌が、
一首ぐらい欲しくなりました。